リウマチ特集-症状と治療法
寒い日は特に痛む関節痛。「リウマチかな?」と心配になったりしますよね。リウマチは、症状が軽いうちならば進行を止める薬なども効きやすく、関節の変形などを回避することができます。リウマチの症状は様々なので、いくつかの要因を合わせて総合的に診断されることが多いのですが、代表的な症状をご紹介します。
以下に説明するリウマチの症状が当てはまるようならば、一度病院を受診してみましょう。最近は、リウマチに特化した膠原病内科やリウマチ科などを備えた病院も増えてきています。リウマチ対策として、できることから少しずつはじめてみましょう!
リウマチとは?
リウマチは、体の関節に炎症が起こってはれてしまって痛む病気です。リウマチが進行すると、関節の変形や関節痛などが生じます。リウマチによる関節の腫れは、関節液がたまることなどが原因となっており、押すと柔らかいのが特徴です。
リウマチになりやすい人
30 歳から 50 歳で発症する人が多く、人口の 0.5 %程度、 30 歳以上の人口の 1 %がリウマチだと言われています。リウマチは、女性の方がかかりやすく、女性の患者数は男性の患者数の約 3 倍です。
しかし、手、足、肩、腰などが痛むリウマチ性疾患は成人の約 40 %にみられ、リウマチと診断されなくても関節痛を持っている人はかなり多いことがわかります。
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リウマチの症状
リウマチの症状には、関節痛と、関節痛以外のものとがあります。
関節痛
リウマチを発症すると、指の付け根や、手首の関節、肘、膝の関節などに腫れと痛みを発生します。リウマチの関節痛は、最初は少数の関節から始まりますが、左右の同じ部位の関節に起こることが多いのが特徴です。
リウマチの特徴として、関節を動かすとこわばって動かしにくく、だんだん楽に動かせるようになります。朝、起きたときが最も症状が重いことが一般的で、湿気や気温によって関節痛の症状が変化することも多く見られます。中には、数ヶ月でリウマチが完全に治ってしまう人もいます。
関節痛以外
リウマチの全身症状として、疲れやすさ、脱力感、体重減少、食欲低下などが生じます。リウマチによって、涙や唾液がでにくくなる人もいます。また、ひじや後頭部など、圧迫が加わりやすい部位にしこりが生じることがあります。悪性関節リウマチでは、心筋梗塞、肺臓炎、腸梗塞などを引き起こすことがあります。
リウマチの判定
リウマチを診断する際に、血液検査でリウマチ反応を見ることが一般的です。しかし、陽性でもリウマチではない人もいれば、陰性でもリウマチの人もいます。リウマチ患者の 80 ~ 90 %が陽性反応となるそうです。
以前、私自身もリウマチではなかったのに陽性とでました。医者が言うには、風邪をひいているときなど、白血球が増えているときに検査すると、リウマチ因子の陽性反応がでやすいそうです。また、リウマチ以外にも関節痛になることがあるため、以下の検査項目で4項目以上当てはまればリウマチと診断しています。
- 朝、関節を動かしにくい感覚が1時間以上続く。また、そのような症状が 6 ヶ月以上続いている。
- 3 箇所以上、関節の腫れが生じている。また、そのような症状が 6 ヶ月以上続いている。
- 手の関節の腫れが 6 ヶ月以上続いている。
- 左右対称性の関節の腫れが 6 ヶ月以上続いている。
- 手のエックス線写真で異常が見られる。
- ひじや後頭部などにしこりが見られる。
- リウマチ反応が陽性
リウマチの治療法
近年では、リウマチの薬物療法が急速に進化してきているため、以前よりも手術を勧められる時期が遅くなってきているようです。
リウマチの薬物療法
次のようなものがあります。
- 抗リウマチ薬(免疫を抑えて進行を抑える)
- 非ステロイド性抗炎症薬(炎症を抑える)
- 副腎皮質ステロイド薬(いわゆる、ステロイド。炎症を抑える)
- 生物学的製剤(炎症を抑え、進行を抑える)があります。
1. 抗リウマチ薬では、血球減少、肝障害、腎障害などといった副作用があり、2.非ステロイド性抗炎症薬では胃潰瘍などといった副作用があり、3.副腎皮質ステロイド薬にも重篤な副作用が生じることがあります。
副作用が最も少ないのは、4.生物学的製剤であり、長期に使用すれば骨破壊の進行も止めたり、将来の関節の変形を予防できたり、リウマチをほぼ治癒に近い状態に導ける可能性もありますが、感染症とアレルギーに注意が必要となります。また、 1 回あたりの費用が約 22 万円( 3 割負担で約 7 万円)と、大変高価であるという問題もあります。
リウマチ手術
リウマチ手術としては、関節形成手術のほか、人工関節に置き換える手術も行われてきています。従来は、人工関節の寿命が10年程度でしたが、現在では20年以上に延びてきています。
温泉の効果は?
よく、リウマチには温泉と言いますよね。温泉の効用に「リウマチ」と書かれているところも多いようです。リウマチに対する温泉の効果についてご紹介します。
温熱効果
リウマチによる関節のこわばりや痛みは、暖めることによって軽減すると言われています。温泉で全身を温めることによって、血行が改善され、疾患部分に栄養をいきわたらせるとともに、痛みの原因となる老廃物が除去されます。さらに、痛みを感じる神経の感度を鈍くしたり、麻薬のような作用を有する物質を増加させたりといった効果もあります。
リハビリ効果
水中では、浮力によって下肢を動かしやすく、横には倒れにくいという特徴があります。さらに、水中では、動くことによって抵抗を感じるため、リハビリ効果が高いのです。
他にも、温泉には、温泉成分による血管拡張効果や、副腎皮質刺激効果、保温効果などもあります(温泉による)。なお、温泉に入るときには、 40 度前後のぬるめのお湯に 10 分~ 20 分つかるのがよいそうです。入浴回数は 1 日 1 回~ 2 回としましょう。
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