秘書検定-試験と勉強のコツ
秘書検定を受けて秘書に挑戦してみませんか?会社でも憧れの存在である秘書は、細かな心遣いとビジネスマナー、さらには冷静な判断力も要求されるスペシャリストです。
秘書検定の資格を持っているからといって必ず秘書になれるわけではありませんが、秘書として最低限求められている要素を持ち合わせていることを証明することができます。
秘書検定は、秘書を目指す人だけではなく、会社員としてのビジネスマナーを身につけたい人にもぴったりです。比較的短期間で取得できるのも、秘書検定の魅力です。
秘書検定を受けてみましょう!
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秘書検定の概要
秘書に求められていること
秘書に求められていることは、
- (1)書類作成・管理
- (2)スケジュール管理
- (3)情報収集・管理
- (4)来客の接待
- (5)慶弔関連の手配
など、多岐にわたっています。秘書検定では、これらをこなす能力を持ち合わせているかが確認されます。
秘書検定の試験内容
級 | 3級 | 2級 | 準1級 | 1級 |
検定 内容 |
1.秘書の資質(理論) 2.職務知識(理論) 3.一般知識(理論) 4.マナー・接遇(実技) 5.技能(実技) 理論は五肢択一問題でマークシート方式。 実技は五肢択一問題(マークシート方式)と記述問題 |
1.秘書の資質(理論) 2.職務知識(理論) 3.一般知識(理論) 4.マナー・接遇(実技) 5.技能(実技) 理論は五肢択一問題でマークシート方式。 実技は五肢択一問題(マークシート方式)と記述問題 |
【筆記】 1.秘書の資質(理論) 2.職務知識(理論) 3.一般知識(理論) 4.マナー・接遇(実技) 5.技能(実技) 理論、実技とも 50 %が五肢択一問題でマークシート方式、 50 %が記述問題 【面接】 3 人 1 組で、あいさつ・報告・状況対応をロールプレイング形式で行います。 |
【筆記】 1.秘書の資質(理論) 2.職務知識(理論) 3.一般知識(理論) 4.マナー・接遇(実技) 5.技能(実技) 理論、実技とも記述問題 【面接】 2 人 1 組で、あいさつ・報告・状況対応・補足質問をロールプレイング形式で行います。 |
秘書検定の受験要項
受験資格 | 学歴・年齢・性別・国籍などの制限はありません。 |
合格基準 | 上述した「理論」「実技」ともに 60 %以上得点すること |
合格率 |
1 級および準 1 級:10 〜 15% 2 級:50 % 3 級:70 % |
試験日程 |
2月上旬頃(2級と3級のみ) 6月下旬頃(全級) 11月上旬頃(全級) 1ヶ月程度で結果が発表されます。 |
受験料 |
1級:6,100円 準1級:4,900円 2級:3,800円 3級:2,600円 準1・2級;8,700円 2・3級;6,400円 試験日の1ヶ月〜2ヶ月前に申し込む 大手書店等に受験願書が置いてあります。 インターネットからも申し込みができます。 秘書検定HP 問い合せ先 (財)実務技能検定協会 電話 03-3200-6675 |
秘書検定の勉強方法
筆記試験対策としては、市販の問題集を3回ほど見直せば十分だと思います。普段、会社で働いていて、大まかなビジネスマナーを知っている方であれば、1週間もあればできるのではないでしょうか。
しかし、秘書検定では、筆記試験の合格率はかなり高いのですが、面接試験で多くが落とされます。基本的なことなので、おそらく普段なにげなく行っていることだと思うのですが、緊張しているとうまくいかないものです。
また、試験の様子を見た印象では、みんなレベルは同程度だと思いました。緊張してはいるものの、みんなきちんと敬語を使って「上司に報告」できています。それなのに合格者が1割程度まで落とされるということは、何かチェックしているポイントがあるのだと思います。
私は、専門学校には行かずに、たまたま受かってしまいましたが、そのポイントは自分でも全くわかりません。筆記対策というよりも、面接対策として、専門学校や講座を受けてみるといいと思います。
秘書検定の筆記試験のコツ
まず、いろいろな本やサイトでも言われているとおり、2級と3級、あるいは2級と準1級は同時に受験しましょう。私は、1度目の受験で2級と準1級を一緒に受験しましたが、はっきり言って勉強内容はほぼ同じです。
2級では5択だった問題が、準1級では記述になっていた、という程度の違いです。2つの級を同時に受験することで、片方がものすごく簡単に感じるため、最悪でも片方は合格する確率が上がります。
また、記述では、長々と書き綴るのではなく、上司に報告するためのメモだと思って箇条書で的確に書きましょう。最近は、電子メールがコミュニケーションツールとして欠かせないものになってきています。電子メールのマナーについて確認しておきましょう。
秘書検定の面接試験のコツ
面接会場は、思っていたよりも穏やかな雰囲気でした。服装は、ほとんどの人がリクルートっぽいスーツ、30人に1人くらいが普段着といった格好でした。絶対にスーツで行きましょうね!
男性の姿もチラホラ。準1級の面接の後半だと、1級の面接待ちの人たちとすれ違うのですが、最初は空気が違うなって感じました。みなさん落ち着いています。
準1級の受験者のように、手に「人」の文字書いて飲み込んでいる人なんていません。待っている間も見られているとわかっているからでしょうか?
面接の内容自体は、普段、緊張していない状態ならば簡単なことです。基本的には、「上司に簡潔かつ正しい敬語で伝言を伝える」だけですから。
しかし、落とし穴がある気がします。「新製品について上司に説明」するのですが、その新製品が何か変。「え、そんな製品、本当にあるの?」と一瞬考えてしまって、覚えられなくなってしまう人が多いみたいです。
現に、私の前2人は、渡されたメモを読んで「え?」って笑ってました。例えば、「変声器付きの携帯電話が開発されました。いたずら電話対策に便利です」のようなイメージ。(これは、あくまでイメージです)
「ちょっと変なものが含まれている」ということを踏まえておいて、そういうものでも動揺せずに伝えられるように練習しておきましょう。
秘書検定は転職に有利か?
日本では、秘書の平均的な年収は300万円〜400万円、派遣ならば時給1,500円といったところが相場だと思います。
秘書検定準1級を取得した時点(27歳)で転職活動をしましたが、書類審査で落とされた会社はありませんでした。最低限のビジネスマナーは備えていると考えられたためだと思います。
父が人事担当なのですが、新卒で就職するのに秘書検定は「さほど重要ではない」ということでした。新卒の場合、これから社内で文書教育などを受けるため、「どうせこれから教育する」という気持ちがあるようです。
しかし、最終的に「どちらを取るか」という選択を迫られたときには、秘書検定を取得していると有利に働くということです。理由は、「秘書検定を持っている子だと、みんな喜ぶから」(つまり、おじさま受けが良い?)逆に、転職時の方が重視されるのではないかということです。
一般的に、転職してくる人は「ものすごく仕事ができる」か、「ものすごく仕事ができない」かということが多いらしく、秘書検定を持っているというだけで「仕事ができないことはないだろう」と思うらしいです。「秘書検定の資格を持っているだけで万能」というわけではありませんが、「持っていれば有利」ということは確実だと思います。
あらかじめ転職サイトに登録して情報を収集しておくことも大切
転職情報を扱っているサイトが多くあります。
登録するだけで多くの情報を閲覧することができますし、いざ転職となったときにもエージェントといわれる転職サービスの専門家が、転職に必要となる相手先の企業と手続きや給与などの交渉まで行ってくれるのです。
このサービスは無料で登録できて、登録することでサービスは無料で受けられます。(転職がうまくいくと、エージェンとには転職先の企業から報酬が支払われる仕組みですので、こちらは料金を気にすることはありません。)
中でも、最大手のリクルートが手がけるリクルートエージェントとリクナビネクストは、案件の数が他と比べて圧倒的に多いというメリットがあります。
秘書検定の受験にかかわらず、転職や就職を考えているのであれば、登録だけでもして、案件を見てみるというのもいいと思います。
秘書検定合格後について
国際秘書検定(CBS)を目指そう
日本では、秘書の平均年収は 300 万円〜 400 万円ですが、国際秘書では 1000 万円を超えることはめずらしくありません。
何よりもいいことは、秘書=若いというイメージがありますが、国際秘書ならキャリアが実績として確実に認められることです。
国際秘書は、年配の方も多いのが特徴です。長く秘書として働いていこうと思ったら、絶対に目指すべきだと思います。
国際秘書検定(CBS)については、国際秘書検定(CBS)のHPを確認してください。
タイピングの試験は必ずある
秘書検定を取って転職活動をしたときに、「秘書」で応募した5社全てで面接の他にタイピングテストがありました。しかも、日本語の文章を打つのではなく、無意味な英字の羅列を打っていき、きちんと間違い数を数えていました。
実際に秘書をやってみると、次のような仕事が多いように思います。
- 上司の代わりにメールを出す
- 上司の書いたメモをパソコンで清書する
- 電話で上司が話している言葉をそのままパソコンで入力し、資料作成
秘書検定に受かったら、タイピングの練習は絶対にしておいた方がいいですよ!
派遣で経験を積むのもいい考え
秘書検定を取ったからといって、全く経験なしで正社員の秘書として採用されることはめずらしいと思います。(新卒を除く)
秘書という仕事は、普通の事務にプラスして上司の世話(?)をするため、常にいろいろなところに気をまわす必要があります。慣れればだれでもできると思うのですが、会社では、「すでに慣れている」人を求めていることが多いので、秘書検定の資格だけではなかなか大変です
ちょっと不安かもしれませんが、秘書検定を取得したら派遣で秘書の経験を積み、正社員として転職する方法も1つだと思います。派遣は不安定というデメリットもありますが、いろいろな職種を体験できるというメリットもあります。
国際秘書として働くチャンスもあるようなので、うまく転職できれば、はじめから正社員で秘書になった人よりも優位に立つことができるかもしれません。
職場と求められる人材
一概に秘書といっても、職場によってその仕事は様々です。
通常の企業の秘書では、書類整理や各種贈答品などの手配、スケジュール管理などが主な仕事のため、一般的な秘書のイメージに近いのではないかと思います。
しかし、転職雑誌などを見ると、一般企業に加えて、法律事務所や特許事務所の秘書募集が多いことに気づくと思います。法律事務所や特許事務所のうち、特に「国際」とついた事務所では、英語力が強く求められます。その理由は、仕事内容に、「海外のクライアントからのメールの送受信」が含まれるからです。
弁護士や弁理士が日本語で書いた文章を英訳して、メールで送ることができる必要があります。実際に、法律事務所の面接で、「この事務所で働けば、1年で英字新聞が難なく読めるようになる。そのくらい英語漬けだ。」と言われました。やりがいは十分にあると思います。
役立った意外な趣味
できる秘書というと、茶道や華道にも精通していて、趣味も少しハイソな感じ。そう思って、学生時代に茶道も華道もかじってみましたが、一番役に立った趣味は、なんと「食べ歩き」でした。
秘書の仕事の1つとして、お客様の接待会場を選んだり、お中元やお歳暮を選ぶことがあります。お客様の中には、「ベジタリアン」「魚ダメ」「カロリーを気にしている」「お酒がダメ」など、いろいろな方がいらっしゃいます。
インターネットで評判のお店を探せばいいと思うかもしれませんが、実際にお店を知らないと、そのお店の良さというのは、わかりません。大事な接待に初めていくお店というのはあり得ません。
実際に自分で試したところならば、安心してすすめられます。「この前のお店、評判よかったよ」と言われると、「食べ歩いててよかった〜」と心から思うとともに、「意外なことが役立つんだなあ」と感動します。
秘書・7つ道具
会社によっても違うのかもしれませんが、私にとって、これだけは忘れてはいけない7つ道具はこれです。
- A4サイズが入るカバン
- 上司と自分の名刺
- 携帯電話・スマートフォン
- 手帳
- スイカ&パスネット&バスカード&タクシー券
- 上司と自分のハンコ
- ストッキングの替え
- 1は、機密文書を持ち歩くことがあるので、書類がはみださないサイズのカバンが必要です。
- 2は、上司が忘れたときのため、常に上司のものも持ち歩いています。
- 3は、連絡用はもちろんですが、外出先で乗り換えを調べるときに必需品です。
- 4は、アナログですが、電子手帳を使い慣れていないので・・・
- 5は、移動に小銭がないと困るので常に携帯しています。
- 6は、ちょこっと認印が必要なことが多いので、上司の分も持ち歩いています。
- 7は、社内でも社外でも、動き回ることが多い上に接客も多いので必需品です。
秘書について思うこと
辞書で「秘書」とひくと、「秘書(ひしょ)とは、特定の役職にある人に対し、その活動を助けることを仕事とする役職、職業。仕事内容は、電話応対、スケジュール調整、書類・原稿作成などである。」とあります。
最近は、派遣の秘書や、一般社員が通常業務と秘書業務を兼任していることも多いため、いわゆる秘書らしい秘書が少なくなってきたそうです。そのうち、「秘書」=「企業秘書」ではなく、「秘書」=「政治家の公設秘書」というイメージの方が強くなってくるかもしれません。
海外からいらっしゃるお客様の秘書を見ると、日本の秘書とは異なり、上司との関係がかなりドライな気がします。仕事に必要なことはテキパキとこなしていますが、仕事以外の雑用はあまりやらなくていいみたいです。
その点、日本の秘書は、「上司のお母さん代わり」のように扱われることも多々あります。上司の性格によるかもしれませんが・・・。以前の上司には、「コンビニでプリン買ってきて」と言われ、買ってくると「汁が飛ぶからあけて」。こんなことが日常茶飯事でした。
これからは、日本の秘書にも、いやなことははっきりといやだという勇気と、その代わりに仕事は確実に行う正確さや機敏さが求められてくるのではないかと思います。
また、財団法人実務技能検定協会が行っている「秘書検定」とは別に、財団法人全国経理教育協会が行っている「秘書能力検定」がありますが、秘書能力検定には面接試験がないためか、周りでもあまり受験している人が少ないです。合格率も秘書検定よりも高いようなので、併せて受験してみると就職に有利なのではないかと思います。
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